生誕100年 山下清展 百年目の大回想 @神戸ファッション美術館
やました きよし。
『裸の大将』で人物像がデフォルメされたためランニング+短パンで線路沿いを歩いているイメージがあるが
実際には浴衣や着物を着て線路沿いを歩いていたらしい。
あれ?でも私、山下清は浴衣を着てるイメージがあるな?と思ってよく考えたら脳内イメージが西郷どんと混ざってた。
そんくらい浅い人間が見に行った山下清展。
山下清の作品といえば「貼り絵」。あとは黒いペンの点描。
実物を見て、なんか「熱量!」って感じがしました。
貼り絵は、油絵で点描画を描くとき筆先で一回「トン」って打つその一点が1ピースの紙片として貼ってあるかんじなんですよ。
途方もない作業量と完成度ですよ。
遠くで見たら「これ油絵でした?」ってなる。
実際、油彩画をいくつか描いててそれも展示されていたんだけど
絵の具が乾くまで次の色を乗せられないのが待てなくてやめたらしい。
トータルで考えたら油絵のほうが早く完成しそうだけど、手待ち時間がない貼り絵の方を選んじゃうの、わかる。
この展覧会における発見はふたつ。
ひとつは紙を貼る順序が自分の思ってるんと逆のパターンが多いこと。
例えば畑に作物が植わってる風景を描くとして
素人である私のイメージではまず土の茶色を全体に貼ってから作物を緑色で貼っていく。
しかし作品を見ていると
おそらく下書きに沿って作物を貼り終わってから作物の輪郭が崩れないように注意しながら周囲の土の色を貼っていく、というような順番で作成してると思われるところがあった。
有名な『長岡の花火』では花火の一番外側の光(小さな丸形)は
黄色っぽい色紙の上に、こまかぁーい黒色の紙がたくさん貼ってあって、それで小さな明るい丸になっている。
コヨリを使った髪や草木や花火などの表現にも度肝を抜かれたが、こういう「細かいとこ以外を細かく貼ることで細かいとこを描き出す」のがもうピャーってなりました。
語彙力がありません。
「長年酷使した目の不調」書いてあったけど、そりゃあ目も不調をきたすだろう。
肩こり腰痛とか腱鞘炎とかはならんかったんだろうか?
もう一つは、山下氏が書いた手紙とか手記とか、あと作品を観ると『裸の大将』で表現されてた感じと本人とは本当に違うんだなということ。
そもそもあのドラマをちゃんと観てなくてそのイメージすらぼんやりしているので私が比較して語ることはできないんだけども。
詳しくは図録の解説を読むといいと思うよ!
私は稀代の捻くれ者なので、その展覧会の目玉作品だとかその作家の代表作だとかを外してポストカードを買うクセがあるのだけど
今回は代表作『長岡の花火』がいちばん好きでポストカードも買った。
あと『パリのエッフェル塔』はサインペンの線が緻密過ぎるし構図もいいしヤバい。
ポストカードをたくさん買ったのにも関わらず図録も買った。
↑ピンセット使わずに手で貼ってる!?😳
手ぬぐいが二種類あった。
どちらもペン画の動植物画が寄せ集まっているデザイン。染めじゃなくてプリント。
カタツムリは寄生虫がたくさんいて嫌いなのでカタツムリのいない青色のほうを買った。
山下清の絵はあんまり美術館に収蔵されていない。
作品目録をみると殆どが「山下清作品管理事務所蔵」だ。
てことは、こういう回顧展を逃したら山下清の作品に会う機会がほぼ無いということか。
有名な人だから山下清美術館とかあるのかと漠然と思っていたわ…。行けてよかった。