LOSTMAN NEED BLUES DRIVE MONSTERS

神経質で性格が悪い人のブログ。ブーメランな意見を述べがち。消しがち。更新が多いときは調子が悪いときです。更新がないときはもっと調子が悪いときです。情報商材いりません。

私だってサイン本ってやつは何冊か持ってるんだよ(でも写真なし)

数年前、めっちゃ娯楽に飢えてたとき、ヤフオクの偽サイン色紙を検索するのが趣味だった。

 

素人がジブリとか藤子不二雄(A・F)とか君の名はとかのイラストとサインを拙い筆致で真似して書いた偽物と丸わかりの色紙が沢山オークションに掛けられているのを見ると、あぁ自分より酷い人間がいるんだなあと安心した。処刑が娯楽だった時代の中世ヨーロッパ人のようなものだ。

そして不思議な気分になった。

 

ヤフオクとかメルカリとかで(真贋については加味しないにしても)高額を支払ってまで自分宛では無いサインを手に入れることの価値ってなんなんだろう。

出版社が販促のために企画して書店で売ってる正規のサイン本や懸賞で当たったサイングッズなんかは、著者が「コレを買ってくれたり応募したりするファン」のことを念じて書いてるからヨシ。

サイン会等で本人から直接自分のために書いてもらったサインは言わずもがな。

 

転売で手に入れる人のことは書いた本人も想定外だから、高いお金を払って手に入れたサインは自分のために書かれたものではないのだよ?

なんか虚しくない?

横恋慕の挙句お金の力で無理やり奪った奥さんの心までは手に入れられなかった哀れな財閥野郎みたいな気分にならない?

……などと考えていた。

 

サインって、サインそのものに価値を感じるというよりは「サインをしている数秒間という時間をその人が自分のために使ってくれた事実の証明」であるから尊いんだと思っている。

想像してみてください。

好きなバンドのメンバーAさんがサインペンを持ち、ポラかグッズか色紙か本とかなんでも良いけど机の上に置いてあるソレに向かってペンを下ろし、「○○さんへ…と。」って心の中であなたの名前を一回呟いて、その人の腕があなたの為に動いて、あなたの名前を書いて、その横にあなたに宛てたサインが書かれる……そんな奇跡の数秒間を。

そんな時間がこの長い地球の歴史の中に存在したんだと、あなたが持ってるそのサインが明らかに示しているんですよ!?

その人の数秒間を、あなたが貰ったってことなんですよ!?

あり得んほど僥倖!!ヤバいね。

 

まぁそこまで好きではなくても、サインってそういう部分に価値があるんだと私は思っているわけです。そもそもそこまで好きでもなかったら転売のサインなんて買おうともしないだろうけど。

 

私が持っているサイン本は正規ルートで入手したもの3冊のみ。ぜんぶ定価。いずれも競争率は高くない。(うち1冊は「笑ってはいけない」で発行部数5000部と暴露されてた某エッセイ)

  1. サイン会で書いてもらったやつ。
  2. 著者がネットで直販してたやつ。
  3. 展覧会のグッズ売場で先着順に売ってたサイン入り公式本。

こうして見ると、サイン本の入手経路って結構多様だな。

 

コロナ禍でサイン会とかが開催しづらい今、各書店に流通してるサイン本が増えているのかもしれない。

それ以前でも紀伊国屋書店とかジュンク堂とかでよくサイン本を見かけていたけど、私はよっぽど好きな著者じゃなければサインの無い方を買う(大体の人がそうかも)。なぜなら手放しにくくなって本棚の肥やしになりがちだから。

本当に好きな人にサイン本を手に入れて欲しいしね…!

 

最近、きっかけは忘れたが心の中の悪い虫がムクムクと動き出し、またTwitterで「サイン本 偽物」とかで検索して楽しんでいた。

偽造防止のためにサインの一部を隠した写真を上げている人や、「偽造されるらしいので今まで載せてたサインの写真を全部消しました!」って人がちらほら。

「サイン本 ゲット」で検索したら、本の表紙だけ写真にとって「○○さんのサイン本ゲットしました!」って人が割といた。やっぱり偽サインの参考にされるのを回避してるんだろうか。

 

この流れ、もしかして実際はサイン本じゃなくてもサイン本ゲットって言えるんじゃね?

Twitterでサイン本を作った作家さんとタイトルに目星つけてサインのない本を買って積み上げて「サイン本タワー!!私の持ってるサイン本全てです!ぜんぶ大好きな方々の著作!」とかやったら自己顕示欲が満たされるだろうか。

高額転売以上に虚しすぎるからやらないな……。

 

ポンツカステッカー(自分で印刷して偽造)の一部を映した写真を添えてフィルターかけて質感をごまかしつつ「身バレ防止と偽造防止のためにサインは映してません^_^;」って、あたかもお誕生日企画でメール読まれてさらに上位2人に選ばれてサイン入りステッカーを貰ったかのような嘘をつくこともできるな。やらんけど。どんだけ寂しいねんってなるもん自分で。

 

別にそういう人を見かけたとかいうわけではなく、全て私の妄想です。

妄想膨らむ大インターネット時代は楽しいなっと。

 

やっぱりサインってものは自分一人で暗い部屋で眺めながら「ぐへへへ……」って笑ってるのが一番の正統派ですね。

 

その後も検索を発展させていったら「○○のサイン本ゲット!1冊しか買えなかったけど嬉しい!」(←えっ⁉︎サイン本なんて1冊で充分じゃね??)「サイン本 代行購入募集 1冊ごとに代行費千円お支払いします」(←代行⁉︎うーん…でもなんで何冊も欲しいの?もっと沢山上乗せして転売するの⁉︎)等々がわんさか出てきて憂鬱になった。

原点に戻ってヤフオクで偽サインを眺めて楽しんどくのが無難かな。