ヒット曲を生み出しやすい「カノンコード」または「カノン進行」と言われるコード進行があるそうな。
私は幼稚園から小6までピアノを習っていたってのに『猫踏んじゃった』も弾けないくらい音楽的センスがないので、和音とかコードのことは何回習っても理解ができぬのですが。
あいみょんの『マリーゴールド』が既存の曲に似てるだの、“カノンコード” で似かよった曲が量産されてるだけだのという論争(因みに私はあいみょんについては何ら思うところはなく、ただ良い声だな〜と思っています。)をネットで見て、めっちゃ『カノン』に嵌ってた謎の時期が自分の人生の中にあったことを思い出してしまった。
きっとどうでも良い記憶過ぎて心の奥底に眠ってたんだろう。
『カノン』に嵌るとはどういう意味か。
それはその言葉のとおり、パッヘルベルが作曲した『カノン』(通称『パッヘルベルのカノン』)の音源をひたすら聴き続けるだけの音楽生活をすることである。
ただ聴くだけに終始し、「パッヘルベルの人となりを知りたい」とか「演奏会に行きたい」とかにはならなかったのが残念なところ。
あれはたぶん高校〜大学のころ。
ランキング上位のJ-popが面白く感じられず、大学受験でラジオ断ちし、その後の大学生活ではFM802的なFM局のない地方に引っ越したのでラジオからの情報もなく、YouTubeも当然まだ無く、好きなミュージシャンはスランプ気味で、バンプには未だ嵌っておらず(バンドはアングラな感じで怖かった)、何を聴けば良いやらわからない音楽難民になっていた頃の話。
迷走の末、何がきっかけだったのか、カノンコードのヒット曲には目もくれず『カノン100%』という全編パッヘルベルのカノンに満ち満ちた狂気のアルバムを繰り返し聴いていた。
(Amazonで検索したらまだ売っていた↓)
**パッヘルベルのカノンは、交響曲のように1曲を1回演奏するだけでアルバム1枚を作れる長い曲ではないので、色んな演奏者が色んな形態でパッヘルベルのカノンを演奏したのがいくつも収録されている。全編『get wild』のイロモノ盤みたいなノリ。**
しかしずーっとパッヘルベルのカノンを聴いていても、それでも飽きなかったんだからやっぱりカノンコードの力は凄いよな〜。
パッヘルベルは恐らくカノンだけの一発屋なんだろうけど、円広志なみに偉大な一発屋だわ。そりゃあヒット曲の法則にもなるわ。と、改めて思ったのであった。
でもアルバムの演奏の内容をすっかり忘れている辺り、自分の音楽に対する意識の低さ・頭空っぽさが分かるんだよなあ。
追記:
ついでに思い出した。
この度の改元で「令和」の元ネタになったことで脚光を浴びている『万葉集』の歌にメロディーを付けて歌った企画盤CDも持ってたわ。
里中満智子氏(漫画家)ジャケ絵を描いていた気がする。たぶん。
想えば、こういうのが近所のCD屋さんで衝動買いできた良い時代だったなあ。自分のお金の使い方が狂ってるという側面もあるが。
しかしこのCDに関しては現在のAmazonで見つけられなかったので、もしかしたら白昼夢だったのかもしれない。
だけど「こっせっやーまのー♪ つらつらつーばきー♪」っていう明るいメロディーは確かに覚えているんだよ。逆に言えばそのメロディーしか覚えていないのだけども。