※小説のネタバレしてるんで注意してください!
ソエモンチョウ ブングジャムの日、会場に行く前にフラッと立ち寄った書店でジャケ買いしたコレ↓
『烏に単は似合わない』
八咫烏が人間の姿になって生活してる世界に平安朝っぽい文化があって、人間で言うところの東宮っぽい男性(若宮)のお后選びのために「いづれのおんときにか、こういにょうごあまたさぶらいける…」みたいな高校で暗唱させられた源氏物語の冒頭的なヤツが展開されていくヤツ。
主人公とおぼしきひとは、はじめ一番見込みが無さそうな「東家のニの姫」。
断じてリアルタイムではないが『なんて素敵にジャパネスク』に思春期にハマって以来、氷室冴子や田辺聖子の平安モノが大好物の私は
「八咫烏界の超時空平安朝モノとか美味し過ぎ!本当の平安朝(“抱えてもらわないと動けないくらい弱いのが高貴” 的なヤバイ価値観)ほど窮屈じゃないから物語が動きやすくて良い!
この可憐で引っ込み思案のお姫様が『幼き日の邂逅の利』を活かしてライバル供を蹴散らして下克上して入内するのね!」
と、まんまと作者の蜘蛛の糸に絡め取られながら読み進め
「あれ…?残りのページ数ではとても若宮さんとのめくるめく展開できないよ…?」
と不安になった頃にまさかの デウスエクスマキナ・若宮が文字通り飛来してきて全てを暴くわ嫁を決めるわの大騒ぎ。
コバルト文庫気分で読んでた私は「ヒィエェ〜」と戦慄しながらも物凄くキレイに作者の罠にハマっていたことに気付き、読んだ後とても気持ちが良かったのです…。照。
そして、シリーズ1巻の『烏に単は似合わない』と同時系列で全く違うストーリーが展開される2巻『烏は主を選ばない』をネットで注文するも、到着が待ちきれずに図書館で借りて1日で読み(その翌日に商品到着)、
そのラストシーンで「なんやねん!続きめっちゃ気になるやんけ!」ってなって、結局ここ数日のうちに4巻まで読みましたとさ。
根を詰めて読みすぎて頭が痛い。
しかし面白い。これ。
あんまり小説読まないんで、他と比べてどうとか分からんけど面白い。
1巻は平安朝コバルト文庫からのどんでん返し。
2巻は何だろう?主従モノ?バディもの?少年の成長譚?お家ドロドロ騒ぎ?
3巻はSFチックで、
4巻はギムナジウム的(3年制だけど)なハリーポッター的な全寮制学園モノ。
…と言えなくもない。けど1本の流れに沿って世界が動いている。
八咫烏っていう何となく高貴な感じの異世界なのも良いね。猿側だと読み進められる自信がないわ。
今日、駐輪場に停めてた自転車のサドルに鳥の糞が付いてたけど
「烏の仕業かな…フフ…。」
と極めて冷静にティッシュで拭いたもんね。
そしてキャラクター小説としても楽しい。
『進撃の巨人』でリヴァイ兵士長が一番好きだった私は、やっぱりこのシリーズでは若宮=金烏=奈月彦が好きですね!モチロン。
シリーズものを文庫で集めはじめると、最終的に「新刊が単行本しか売ってない」という問題にぶち当たる。
今回もその問題があと1冊読み終えれば発生するんだよなー。
それになんか、外伝もあって、それも単行本しかないし電子書籍でしか出てない話もあるし。
あーこういう悩みって良いね!幸せ。久し振り。
しかもしかも。
2月に作者の阿部さんがサイン会を大阪でやるらしい。八咫烏シリーズとは違う新作発売記念。
うーん、人生初のサイン会に行ってしまうかもしれないよ…。