3連休の初日の土曜なんて、映画館に行くもんではないね。
上映中ずーーーっと鼻をかんでいるお客さんがいた。
私は毒にも薬にもならない映画が好きだ。
というか、毒にも薬にもならない映画しか観たくない。
私が映画を観る目的は、映画が好きだからとか好きな監督がいるからとかではない。仕事や人間関係で疲弊した頭に、別世界の出来事を詰め込んでクリーンにするためだ。
正にこの映画に出てくる腹振党の信者マインドなのだ。
だから、名女優の重厚な感動大作とか、動物を使って明らかに泣かせに来てる映画とか、ご老人が亡くなる予感のする映画…要するに脳みそが疲れそうな作品は避けまくってここまで来た。
だからこういうフランス映画みたいな(←フランス映画なんて観たことないけどイメージで)観念的な入れ子的な、検討をしないと理解できないような、「よう分らん」と言ったが最後、低能扱いされそうな映画は苦手だ。
※以下、ネタバレしてます※
フェスの民(及び同等のマインドな人々)をディスってるのは分かった。
特に、腹振り党のフラッグへの寄せ書き(「運営に不満はあるけど…」云々)は笑った。
フェスの最後に打ち上げ花火は付き物だしね。
「自分をユニークだと思い込んでる人々」とか、「何でもいいのだ。夏フェスでも、反戦デモでも。」とか、全編をとおしてJ-Rockフェスフリークをあの手この手でディスっていたこととか、
最終的に「流されないで一人で生きてくぜ。パンク侍だぜ。(うろ覚え)」的な、俺はあいつらJ-Rock勢とは違うんだぜ!パンクロックだぜ!と孤高を気取った主人公が、最終的に大衆と同じように刺されて死んだのは「オマエも大して変わらんぞ」ってことなのかね?
私たぶん的外れなこと言ってるよね。
…なんつって、ようわからんのにこんな風に色々と考察してしまうのが嫌なんだよなあ!
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一番お気に入りのシーンは、お殿様に理屈を説明しながら猿回しを見せるところです。ああいうの大好き。
そして映画館からの帰り道、酷暑の夕暮れ時を自転車漕ぎながら、こんな殺人的な暑さのなか夏フェスに参戦する人達すげー気力体力よなー、と尊敬の念が湧いても来た。