仕事帰りにTSUTAYAに寄ったら、「聴き慣れてるのに違和感がものすごい音楽」が聞こえてきた。
何かと思ったら『カラオケベストヒット!何十曲入り』的なコンピ盤に収録されている、どこの誰だか分からない男性が歌う『話がしたいよ』の店頭デモ音源だった。
“誰が歌うか”とか“歌唱力”とか“表現力”とかって、やっぱり違うんだな。と実感した。
こういうのって誰が借りたり買ったりするんだろう…と顔が渋くなったが、そういえば私も似たようなものを幼稚園か小学生の頃に買ってもらったことがあったんだった。
あれは『ベストヒット ・アニメソング大集合!(女の子アニメ特集)』みたいなタイトルのカセット。そうカセット。
当時、歌詞とちょっとした楽譜が載ってる絵本とセットで、プラスチックのパッケージにセットされて、レコード屋とか書店の出入り口付近によく置いてあったやつ。専用の什器があったやつ。
近所のジャスコ的なお店で親に買ってもらって、ワクワクしながらカセットデッキで再生したら、引っかかりのない声質の全然知らない人の歌声が流れてきて「なにこれ!」て驚いた。
「こんな偽物を売っていいの!?」と子供ながら憤っていたが、ちゃんとJASRACのシールが貼ってあったから許可を得て販売していたと思われる。
なぜJASRACのシールのことまで覚えているかというと、「このシール、ピンクと緑で複雑な模様がかいてあって可愛い」と思っていたからだ。
あと、『ちびまる子ちゃん』のアニメがはじまって『おどるポンポコリン』が大ヒットしたときに、BBクイーンズの『おどるポンポコリン』のカセットも買ってもらった。
カップリング曲が2曲あって、1つはなんだか小学生にはよく分からないラブソング。「お嫁さんの白いうなじにゾクゾクしちゃうこの頃」という歌詞の意味が分からなさ過ぎて今でも覚えている。
もう1曲はアニメのエンディング曲『ゆめいっぱい』。
幼い私は、当然のようにアニメでエンディングを歌っている女性が歌唱する『ゆめいっぱい』が入っていると思っていた。
収録されていたのは、BBクイーンズが歌う、ちょっとテンポが遅くてリズムの跳ねた『ゆめいっぱい』だった。
やっぱり「ナニコレ!?」ってなった。
今となってはBBクイーンズver.を聴きすぎて、正規のリズム感に違和感を感じるほどになってしまったが。
もうCD販売が下火になってしまったので手遅れだけど、一つのアニメのオOP曲とED曲を抱き合わせて1枚のシングルCDに収録して、『アニメシングル』なるジャンルで売ってたらヒットしたと思うんだよなあ。
どーせアニメのOP・EDなんて、どっちかがどっちかのレコード会社のバーターっていうパターンなんでしょ?
知らんけど。
もちろん、OPならOPのミュージシャンのファンの人は、そのミュージシャンが出す「普通のシングル盤」を買いたいだろうから、普通のシングル盤も出す。そのうえで、余力で「アニメシングル盤」(500円~700円くらいの廉価版)を売って小銭を稼ぐのだ。
めっちゃいいアイデア!
だけどもうこの時代に出しても売れなさそうだし、もしかしたらレコード会社では同じようなアイデアが千回出て千回却下されているような気もする。
おとなしくレンタル落ちになっていたミスチルのベスト盤を買って帰ってきた。