チケットに「Picasso(ピカソ)」って書いてあるけどその下の絵はマティス…
ピカソとその時代ーベルリン国立ベルグリューン美術館展
@国立国際美術館
土曜日だったので混雑しているかとおもいきや、12時ごろ入場ではまだそこまで人は多くなかった。
当日券2,100円高い…インフレ…。
撮影禁止の札が出ている数点の作品以外はすべて写真撮影OKという太っ腹さ。
これまで「キュビズム」というものについて何度も説明を読んだり聞いたりしていたがまったく腹落ちしていなくて
「斬新だし凄いってのは分かるけど そんでなんでこれが『良い』っていう世界線になったのかが分からん」という認識だった。
ここでたくさんピカソの作品が展示されているのをみてピカソを「良い」っていう気持ちがなんとなく分かりそうな気がした。私にしてはたいした前進だ。
それはまあ良いとして。
写真撮影OKだったから私も数点のお気に入り作品を写真にとってきたわけなんですがね。
「作品を見る」以外に「写真を撮る」という邪念が増えたせいで “他の人が写真を撮る邪魔にならにように見なければ”、“これは撮ったほうがいいかな?撮らなくてもいいかな?”、“これ撮りたいな…あの人がいなくなった時がシャッターチャンスだな…” とか余計なことばっかり考えていて
肝心の作品がどうだったのかっていいう記憶が全然ないのよ…。
せっかく本物のピカソやなんやが目の前にたくさんあったのに、色がどうだったのかとか細かいところがどんな感じだったのかを全然見てない。
写真のことばっかり考えていた。泣きたい。
いちばん覚えていることが、ジャコメッティの作品だろうと思って見ていた鶴のブロンズ像の札をみたらピカソ作で衝撃を受けたことだという…(脚が細いからジャコメッティだと思った。よく考えたら鶴の脚はふつうに細い。)
あと特別展入場料でみられるコレクション展「メル・ボックナー」もみた。
コンセプチュアルアートというやつ(これの意味もわからない状態で見ているわけだが)で、キュビズムすら分からん私がみても本当にわからなさすぎたんだけど
若い女性のグループとかが「すごーい!!」って興奮してて「あんたたちがすごいよ!」と思ったんだけれども
その会場にいる私以外のすべての人がなんか分かってるっぽい感じでみていたので、私がすごいバカなのかもしれない。
なにしろ配布されているパンフレットを読んでも日本語なのに何が書いてあるのかわからないのだから…。
作品自体は床にチョークで数字とか線が書いてあってあとは石が並べてあるんだけど…なんか数学の行列とか定理とかを表しているんだねということはわかるし発想が面白いねとは思うんだけど…キュビズムと同じで「これが『良い』に至る回路」が自分の中に無い感じ。哀しいようなしかたないような。
特別展のチケットでコレクション展も見られる場合に「特別展よりその後にみたコレクション展のほうが印象に残ってしまうパターン」が自分独自のあるあるなんですが。
コレクション展のほうが人が少なくてじっくり見られるからなのか。
そんなことを考えながら会場を出ると、チケット売り場に行列ができていた。
はやめに来てよかった。というか午後2時とかからブロックバスターな美術展みに来るのって元気あるよなあ。